
郵便受けに、めずらしく、
手書きのはがきが入っていました。
古い友人からの、暑中見舞いです。
「暑いですね。元気ですか」
それだけの文面を、
玄関先で、三回くらい読みました。
暑中見舞いという文化は、
もう、消えかけているのかもしれません。
年賀状すら、やめる時代です。
でも、あの文化の芯にあったものは、
今も、ちゃんと生きていると思うのです。
いちばん厳しい季節に、
「あなたは、大丈夫ですか」と
気にかけあう心。
「元気ですか」は、魔法の言葉です。
用件が、なくていい。
返事の義務も、ほとんどない。
ただ「思い出しましたよ」という
合図だけが、届く。
受け取った側は、
誰かの頭の中に自分がいたことを知って、
ちょっとだけ、世界が心強くなる。
今年の暑中見舞いを、一通だけ
はがきでなくて、いいのです。
しばらく会っていないあの人に、
「暑いね。元気にしてる?」と、
短いメッセージを、一通だけ。
返事が来ても、来なくても、
送った時点で、もう役目は果たしています。
誰かの夏に、小さな風鈴を
ひとつ、つるすようなものだから。
最後に
あなたの顔が浮かんだ人こそ、
その一通の、宛て先です。
今日も、あなたにとって
穏やかな時間が流れますように。
星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。
友人への返事は、
あした、ゆっくり書きます。
「暑いですね。元気です」から、
始めようと思います。
また、夜のどこかで。



