「すみません」と、また言ってしまいました。
夕方のスーパーで、棚の前に立っていたら、うしろから来たカートが、かかとに当たって。
当たったのは向こうなのに、先に謝ったのは、わたしでした。
帰ってきて、牛乳だけ冷蔵庫に入れて、あとは袋のまま、台所の床に置いてあります。
なんだか、どっと疲れました。
言ってから、ちょっと情けなくなるんですよね。
今の、謝るところじゃなかったな、と。
同じことで困っている人は、たくさんいるみたいです。
仕事を教えてもらったあと、「ありがとうございます」だけでいいのに、「お時間をとらせて、すみません」がついてくる。
相手の気分を少しでも悪くしたかな、と思うと、すぐ謝りたくなる。
「悪いことしてないのに、なんで謝るの?」と聞かれて、なんと答えたらいいのかわからない。
謝りすぎて、うっとうしいと思われていないか、今度はそれが気になる。
そういう声を、いくつも見かけました。
「なんで謝るの?」と聞かれたら、わたしはまた「すみません」と言ってしまいそうです。
先に、相手の顔を見ている
「すみません」が出るとき、悪いことをしたと思っているわけでは、ないと思うんです。
カートが当たったとき、わたしの頭にあったのは「じゃまなところに立っていたかな」でした。
相手がいやな思いをしていないか。
それを、自分より先に見ています。
家族の前でいちばん出る、という人もいました。
小さいころから比べられて育ったから、と書いていました。
機嫌をそこねないように、先に謝っておく。
そうやって、その場をやり過ごしてきたのかもしれません。
そのあいだ、自分のぶんが飛んでいく
気になるのは、「すみません」という言葉より、そのあとです。
かかとは、痛かったはずなんです。
でも、痛いと思う前に謝っているから、そのまま次の棚へ行ってしまう。
教えてもらって助かった、という気持ちも同じです。
「時間をとらせて悪かった」に置きかわって、助かったまま終われない。
相手のことは見ているのに、自分がどうだったかは、見ないまま一日が終わる。
夜になって、なぜか疲れているのは、そのせいかもしれません。
直そうとしなくていい
癖を直そうとすると、言うたびに「あ、また言った」と自分を責めることになります。
それでは、もっと疲れてしまいます。
とっさに出る言葉は、急には止まりません。
「すみません」は、出たままでいいと思います。
今日は、こんなことを試してみませんか?
「言ったあとに、自分にひとつだけ聞く」
「今の、わたしはどうだった?」と。
痛かった、急いでいた、びっくりした。
口に出さなくていいです。
自分だけ、知っていれば十分です。
「『すみません』のあとに、『ありがとう』を足す」
消さなくていいです。
教えてもらったら「すみません、ありがとうございます」。
足すだけなら、今日からでもできそうです。
「『なんで謝るの?』には、『癖なんです』でいい」
うまく説明しなくていいです。
笑って「癖なんです」で、話は終わります。
最後に
「すみません」が口ぐせなのは、あなたが、自分より先に相手のことを見てきたからかもしれません。
言ってしまっても、いいんです。
そのあとで、ちょっとだけ、自分のほうも見てあげられたら。
忘れる日があっても、かまいません。
あなたのペースで、少しずつで大丈夫です。
今日も、あなたにとって穏やかな時間が流れますように。
星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。
床の袋を、やっと片づけました。
玉ねぎは、かごへ。
靴下を脱いだら、かかとが少し赤くなっていました。
痛かったんだな、と、今になって思います。
おやすみなさい。
また、夜のどこかで。



