
トイレに入ったら、
紙が、また芯だけになっていました。
二つ並んだホルダーの、両方とも。
棚から新しいのを出して、替えました。
外した芯は、とりあえず棚の上に。
捨てに行くのは、正直、面倒です。
替えるのは、いつもわたしです。
頼まれたわけでもないし、
替えたことに、誰も気づきません。
家族がトイレの紙を替えてくれない、と書いている人がいました。
ちょっとだけ残したり、芯だけのままだったり。
何を言っても、変わらない。
「そろそろ爆発します」と。
夜、帰ってきたら、
二つのホルダーが両方とも空だった、という人もいました。
五人家族で、替えているのは、ほとんど自分。
何度言っても直らなくて、
もう半分、あきらめているそうです。
紙のことだけではありません。
洗濯物を干して、畳んで、
休みの日には掃除機をかけて、お風呂も洗って。
それでも、ありがとうの一言もない。
家政婦みたいで、虚しい、と書いている人もいました。
わたしにも、おぼえがあります。
ほしいのは、言葉だけ
結婚して十七年になる人は、こう書いていました。
「言葉でいいのです。お金はいりません」
お弁当を作って、学校の役員もして、
子どもの反抗期にも、毎日つきあっている。
それなのに、家族の話は、
いつも夫の仕事の大変さで終わる。
感謝されたいなんて、思わないほうがいいのか。
そう迷っていました。
思っていいんだと、わたしは思います。
ほしいのは、ほめ言葉でも、ごほうびでもなくて、
「やってくれたんだね」と、
分かってもらうことだけだから。
気づかれないのは、困った人がいなかったから
紙が替えてあるトイレは、
誰にも気づかれません。
次に入った人は、
紙がないことに、気づかずにすみました。
あなたが、先に替えておいたからです。
気づかれないのは、
あなたが、ちゃんとやったからです。
誰も困らなかったから、
誰の目にも、とまらなかった。
見られていないことと、
なかったことは、ちがいます。
ただ、家族が気づくのを待っていると、
いつまでも、数えてもらえないままかもしれません。
だから、まず、
あなたが数えてあげていいと思います。
今日は、こんなことを試してみませんか?
「替えたら、ひとりで『よし』と言う」
声に出さなくても、心のなかで。
それだけで、やったことを、
少なくともあなただけは、見ていたことになります。
「やったことを、ひとつだけ書いておく」
カレンダーの端に「紙を替えた」と小さく。
一週間たつと、思っていたより並んでいるかもしれません。
「『替えといたよ』と、言ってみる」
お礼を待つのではなく、ただ知らせるだけ。
言われて、はじめて気づく家族もいるかもしれません。
最後に
誰にも気づかれない家事は、
あなたが手を抜かなかった、しるしです。
感謝されたいと思うのは、わがままではありません。
でも、家族が気づくまで、待たなくてもいい。
まずは、あなたがあなたに、
「おつかれさま」と言ってあげてもいいと思います。
急がなくていいし、
できそうなものから、ひとつだけで十分です。
今夜も、あなたにとって穏やかな時間が流れますように。
星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。
棚の上の芯を、ようやく捨てに行きました。
新しいのをひとつ、ホルダーの上に置いておきます。
次に入るのが、誰であっても。
それから、心のなかで、小さく「よし」。
おやすみなさい。
また、夜のどこかで。



