
返さなきゃいけない連絡が、三つ残っています。
ひとつは、三日前のもの。
内容は、たいしたことじゃありません。
「元気にしてる?」
それだけです。
なのに、指が止まります。
開いて、少し眺めて、そのまま閉じました。
今日も。
流しには、麦茶のコップがひとつ置いたままです。
扇風機だけが、まだ回っています。
こういう夜は、なにもかも面倒くさいですね。
返さないのと、返せないのは、ちがいます
ある人が、こう書いていました。
返すのがしんどくて、一ヶ月以上そのままにしていたら、友だちに怒られてしまった、と。
その子だけに返していないわけじゃない。ほかの人にも返せていない。
わざとじゃない。返す気力が、ないだけ。
読んでいて、胸のあたりが少し痛みました。
わたしにも、おぼえがあるからです。
気力がない、という理由は、なかなか信じてもらえません。
相手からは「返さない」ように見えるからです。
でも、こちら側にあるのは「返せない」のほうです。
この二つは、まったく別のものです。
日が経つほど、返しにくくなる
一日目は、「あとで返そう」でした。
三日目には、「今さら、どう返そう」に変わっています。
一週間経つと、返事より先に、言い訳のほうを考えはじめます。
遅れたぶんだけ、ちゃんとした返事を書かなければいけない気がしてくる。
短く返したら、失礼になる気がしてくる。
そうやってハードルを上げているのは、たいてい相手ではなく、自分のほうです。
送った側は、もう忘れていることのほうが多いのに。
受け取る量のほうが、増えている
スマホの画面には、赤い数字がいくつも並んでいます。
ひとつ消しても、また増えます。
返す速さを決めているのは、いつのまにか、自分ではなくなっていました。
気力が足りないのではなくて、届く量のほうが多すぎる。
そう考えたほうが、たぶん正確です。
今日は、こんなことを試してみませんか?
「一行だけ返す」
「遅くなってごめん、元気だよ」で、じゅうぶんです。長い言い訳より、一行のほうが届きます。
「返す相手を、ひとりだけ選ぶ」
全部返そうとするから、一件も返せなくなります。今夜は、いちばん返しやすい人だけ。
「見ない時間を、先に決める」
お風呂のあいだだけ、別の部屋に置いておく。それだけで、追いかけられている感じが少し減ります。
最後に
返せないままの連絡は、あなたが冷たい人だという証拠ではありません。
ただ、少し疲れている。それだけのことです。
気力は、戻ってきます。
戻ってきてからで、間に合います。
急がなくて、大丈夫。
あなたのペースで、ひとつずつで、いいのです。
今日も、あなたにとって穏やかな時間が流れますように。
星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。
三つのうち、ひとつだけ返しました。
「元気だよ。そっちは?」
それだけです。
残りの二つは、明日でいいことにします。
流しのコップも、明日で。
おやすみなさい。
また、夜のどこかで。



