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2026.08.02

「ちゃんとした暮らし」に、少し疲れていませんか|あの人の夜は、あの人のもの

夜の台所で、最後のお皿を伏せたところです。

水の音が止まると、部屋が、ふっと静かになりました。

窓の外は、もう暗くて。

ガラスに、自分の顔が、うっすら映っています。

 

 

こういう時間に、なんとなくスマホを開いてしまうこと、ありませんか。

 

指をすべらせると、そこには。

きれいに片づいた台所。

そろえられた器。

やわらかい照明の下で、湯気を立てているお茶。

 

どれも、美しくて。

どれも、少しも、まちがっていなくて。

 

それなのに、画面を閉じたあと。

さっきまで「悪くないな」と思っていたはずの自分の台所が、急に、うすく見えたりするのです。

 

 

この頃は、文章まで、きれいに整う時代になりました。

言葉づかいも、写真の色も、暮らしの見せ方も。

整っていることが、もう、あたりまえの風景になっています。

 

だからこそ、わたしたちは、いつのまにか。

「整っていないこと」を、欠けているみたいに感じてしまう。

 

わたしは、そういう夜を、何度も過ごしてきました。

 

 

あの人の夜は、あの人のもの

 

画面の向こうにも、ちゃんと生活があります。

あの写真の外側には、洗いかけの鍋があるかもしれないし、言えないままの心配ごとがあるかもしれない。

 

でも、それは写りません。

写らなくて、いいのです。

 

わたしたちが見ているのは、その人の一日ではなくて。

その人が、そっと選んで差し出した「いちばんいいところ」の、ほんの一枚。

 

一枚と、まるごとの自分の暮らしを、並べてはいけません。

それは、はじめから、くらべられないものだから。

 

 

わたしの暮らしにも、写らないものがある

 

そして、これは、逆も同じなのです。

 

あなたの毎日にも、写真にならないものが、たくさんあります。

 

誰かの話を、口をはさまずに聞いた時間。

言いたいことを、ひとつ飲みこんだやさしさ。

今日も、家族のごはんが、あたたかかったこと。

 

それらは、四角い画面には、けっして入りません。

 

でも、たしかに、あった。

 

 

今日は、こんなことを試してみませんか。

 

「スマホの、置き場所をひとつ決める」

寝室ではなく、廊下でも、玄関でも。手をのばせば届く場所から、少しだけ離してみます。距離ができると、心は、ふしぎと静かになります。

 

「写真に撮らないものを、ひとつ味わう」

お茶のにおい。窓を開けたときの、夜の風。撮らないと決めてしまうと、その時間は、まるごとあなたのものになります。

 

「いいな、で止めてみる」

誰かの投稿を見て、いいな、と思ったら、そこで終わり。「それにくらべて、わたしは」の続きを、書かないでおく。心のなかの文章も、途中でやめていいのです。

 

 

最後に

 

くらべることをやめるのは、がんばることではありません。

 

そっと、目を上げるだけ。

画面から、自分のいる部屋へ。

 

すぐには、できないかもしれません。

明日もまた、うらやましくなるかもしれません。

 

それで、いいのです。

気づけた夜が、一度あれば。それはもう、はじまっています。

 

どうか、焦らず。

あなたのペースで、あなたの暮らしに、帰ってきてください。

 

今日も、あなたにとって穏やかな時間が流れますように。

 

 

星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。

 

 

台所の灯りを、ひとつ落とします。

窓に映っていた顔が、消えて。

かわりに、外の暗さのなかに、遠くの家の窓が、ぽつり、ぽつりと見えてきました。

 

あそこにも、誰かの夜があるのでしょう。

ここには、あなたの夜が。

 

おやすみなさい。

また、夜のどこかで。

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