
お風呂から上がって、髪も乾かさないまま、窓を少しだけ開けました。
昼のあいだ、あんなに熱を持っていた風が、
夜になると、ふっと角がとれて、やわらかくなる。
肌にあたって、はじめて気づくのです。
ああ、涼しい、と。
頭で「今日は涼しいはずだ」と思っていたわけではなくて、
体のほうが、先に知っていた。
わたしは、こういう瞬間が、けっこう好きです。
考えるより先に、体が答えを持っている。
その順番が、なんだかとても正直で。
いまは、調べようと思えば、なんでも調べられる時代になりました。
どの道を選べばいいのか。
この人とは合うのか、合わないのか。
あの選択は正しかったのか。
検索すれば、誰かの答えが、すぐに出てきます。
ときにはAIが、こちらが聞く前に、もっともらしい結論まで用意してくれる。
便利です。ほんとうに。
でも、そうやって外側の答えが増えれば増えるほど、
自分の中の、小さな声のほうが、聞こえにくくなっていく気がしませんか。
頭は、いくらでも言い訳ができる
頭というのは、便利な反面、とても器用です。
ほんとうは気が進まないのに、
「でも、断ったら悪いから」
「みんなそうしているから」
「今回だけだから」
そう言って、自分を上手に説得してしまう。
けれど体は、そこまで器用ではありません。
返信を打とうとして、指が止まる。
約束の日が近づくと、なんとなく胃が重い。
その人の名前が画面に出た瞬間、肩がすっと上がる。
あれは、気のせいではないのだと思います。
言葉になる前の、いちばん正直な返事です。
「なんとなく」を、軽く扱わない
直感というと、特別な力のように聞こえるかもしれません。
でもわたしは、そんなに大げさなものではないと思っています。
なんとなく、今日は行きたくないな。
なんとなく、この人といると呼吸が浅くなるな。
なんとなく、こっちの道のほうが、明るい気がするな。
その「なんとなく」は、根拠がないのではなくて、
あなたがこれまで生きてきた時間のぶんだけ、積み上がった記憶なのです。
説明できないだけで、ちゃんと理由はある。
今日は、こんなことを試してみませんか?
「息が深いか、浅いか」を見る
迷ったとき、正しさで選ぼうとすると疲れてしまいます。かわりに、その選択を思い浮かべたときの呼吸を見てみてください。すっと深く吸えるほうが、たいてい、あなたに合っています。
「即答しない時間」をつくる
誘いや頼まれごとに、その場で答えなくていいのです。「ちょっと考えますね」の一言で、半日の余白ができます。体の反応は、少し遅れてやってくることが多いから。
「調べる前に、当ててみる」
検索する前に、自分ならどう思うかを先に決めてみる。合っていなくてもかまいません。外側の答えを入れる前に、自分の声を一度通す。その順番だけで、内側の感覚は少しずつ戻ってきます。
最後に
体の感覚を信じる、というのは、
考えることをやめる、という意味ではありません。
ただ、順番を少しだけ入れ替えるだけ。
いちばん最初に、自分に聞く。
そのあとで、調べたり、相談したりすればいい。
長いあいだ、まわりに合わせてきた人ほど、
最初は自分の声が小さくて、聞き取れないかもしれません。
それでいいのです。
急がなくて、大丈夫。
一度でも「あ、いまの、わたしの感覚だ」と気づけたなら、
その声は、少しずつ大きくなっていきます。
今日も、あなたにとって穏やかな時間が流れますように。
星と引き寄せのカウンセラー、宮西でした。
窓を、もう少しだけ開けておきます。
夜の風が、腕のあたりを通っていく。
その涼しさに気づけたなら、今日はもう、じゅうぶんです。
おやすみなさい。
また、夜のどこかで。



